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誰の・何を・何通・どこで取るかを、書類ごとに

合同会社

合同会社を2人以上で設立するときの必要書類|決定書・就任承諾書が要る条件と、社員ごとの取得の分担

  • 内容の確認日
  • 約12分
  • 『会社設立 必要書類の取り寄せ帳』編集部
2人以上でつくる合同会社 増える書類と分担のしかた

早見カードこの記事に出てくる必要書類

定款誰の:社員全員(署名または記名押印)何通:1通
代表社員、本店所在場所及び資本金決定書誰の:業務執行社員何通:条件つきで1通
代表社員の就任承諾書誰の:代表社員何通:互選のとき1通
払込みがあったことを証する書面誰の:代表社員が作成何通:1通
印鑑登録証明書誰の:代表社員何通:書面申請なら1通

友人や家族、取引先と一緒にお金を出し合って合同会社をつくる予定の人向けです。出資者が一人のときと比べて、会社設立の必要書類のどこが増えるのか、誰が何に署名し、誰が何を取得すればよいのかを、出資者どうしで役割を分ける前に確かめられるようにしました。全体の一覧は同じ棚のハブ記事にあるので、ここでは人数が増えたときの違いに絞ります。

出資者が2人以上になると、合同会社の役割は3段に分かれる

社員・業務執行社員・代表社員(3つの立場を先に決める)

合同会社では、お金を出す人がそのまま「社員」になります。出資者が二人以上いると、そのなかで会社の業務を執行する人(業務執行社員)と、会社を代表する人(代表社員)をどう決めるかという問題が出てきます。会社法は、定款に別段の定めがなければ社員が業務を執行し(第590条第1項)、業務を執行する社員が会社を代表する(第599条第1項)としています。そのうえで、定款または定款の定めに基づく社員の互選で、業務執行社員のなかから代表社員を定めることもできます(同条第3項)。

合同会社の3つの立場
図:合同会社の3つの立場

会社設立の必要書類が増えるかどうかは、この3段をどの書類で決めたかによります。定款のなかで全部を決めてしまえば、別の書面は要りません。定款の外で決めたことがあれば、その決定を証明する書面を添付することになります。

誰を代表社員にするか、業務執行社員を全員にするかは、出資者どうしの話し合いで決める事柄です。このサイトでは、決め方によって法務局に出す書類がどう変わるかに焦点を当てます。

一人で合同会社をつくる場合、出資者・業務執行社員・代表社員はすべて同じ人なので、必要書類に関わるのも一人です。人数が増えると、定款への署名の数、決定書に名前を連ねる人、払込みの記録の数が増えていきます。会社設立の必要書類の種類そのものは大きく変わらなくても、「誰に何を頼むか」を整理しないと、署名の抜けや払込みの遅れで申請の日がずれます。

定款は社員全員が署名し、法務局へは1通を出す

定款には社員全員が署名(公証人の認証はいらない)

会社法第575条第1項は、合同会社を設立するには社員になろうとする者が定款を作成し、その全員が署名し、または記名押印しなければならないと定めています。出資者が三人なら三人分の署名か記名押印が並びます。株式会社のような公証人の認証はないので、作った定款をそのまま法務局に出します。

6点セット:定款(合同会社の原始定款)
1 書類の正式名称 定款(合同会社の原始定款)
2 誰の書類か 社員になろうとする者全員(全員が署名または記名押印)
3 どこで取るか・誰が作るか 自分たちで作成する。記載例は法務局ホームページの様式ページ(合同会社3-1、2026年10月11日確認)
4 何通いるか 登記の添付書類として1通。会社で保管する分は別に用意する
5 有効期限 期限の定めはない。払込みや登記申請より前の日付で作る
6 費用 法務局に出すこと自体に手数料はない。紙の定款に貼る印紙の扱いは税務署か専門家に確認

オンラインで申請する場合、法務局の一覧には「社員2名の電子署名が必要です」と書かれています。紙の定款なら全員が集まって押印すれば済みますが、電子署名の場合は社員それぞれが電子証明書を用意する必要があり、出資者が遠方にいると段取りに時間がかかります。

メモどの印鑑で定款に押すかについて、法務局の記載例は特に実印を指定していません。出資者のあいだで押す印鑑をそろえるかどうかは、先に話し合っておくと当日に慌てません。

出典e-Gov法令検索「会社法」2026年10月11日確認・第28条・第33条・第34条・第576条・第578条

決定書が必要書類に加わる3つの条件

決定書が要る3つの条件(代表社員・資本金・本店)

記載例の添付書類欄にある「代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面」は、いつも出すものではありません。法務局のオンライン申請向けの一覧は、この決定書が要る場面を次のように説明しています。

  1. 設立に際して、代表社員が定款に定められていないとき
  2. 資本金の額が定款に定められていないとき
  3. 本店所在地が定款に最小行政区画(「○県○市」など)までしか定められていないとき
決定書が要るかの見分け方
図:決定書が要るかの見分け方

社員が二人とも業務執行社員なら、決定書には業務執行社員2名の電子署名(紙なら署名または記名押印)が要ると一覧にあります。業務執行社員が一人だけなら、その一人が決定します。出資者は多いけれど業務を執行するのは一人、という合同会社では、決定書に関わる人が少なくて済みます。

Q. 決定書は社員全員の名前で作る必要がありますか?

A. 法務局の一覧では、決定書に電子署名するのは業務執行社員とされています。業務を執行しない社員まで含める必要があるかは、定款の定めによって変わるので、迷ったら申請先の法務局に確かめてください。

Q. 決定書と就任承諾書を1枚にまとめてもよいですか?

A. まとめ方は書き方の問題で、このサイトの担当外です。要るかどうかの判定だけ先に済ませ、書き方は記載例や姉妹サイト「会社設立 登記 定款」で確かめてください。

本店の所在場所を番地まで定款に書くと、引っ越しのたびに定款を変える必要が出てきます。そのため、定款は市区町村までにして決定書で番地を決める会社も多く、結果として決定書が会社設立の必要書類に入ってくることがよくあります。

代表社員の就任承諾書は、互選で選んだときに要る

互選したら就任承諾書(定款で直接決めたら不要)

代表社員の就任承諾書は、代表社員になった人が引き受けたことを示す書面です。法務局の一覧は、この書面が必要になるのを「定款の定めに基づき業務執行社員の中から互選により代表社員を定めた場合」としています。記載例の定款例も、第9条で代表社員を業務執行社員の互選で定める形になっており、添付書類欄に就任承諾書が1通入っています。

代表社員の決め方と書類(法務局のオンライン申請の添付書面一覧、2026年10月11日確認)
代表社員の決め方 就任承諾書 決定書
定款で「代表社員は○○とする」と氏名で決める 一覧には出てこない 代表社員の決定としては不要
定款で「業務執行社員の互選で定める」とし、互選した 要る(代表社員の分1通) 互選の結果を示す書面が要る
業務執行社員が1人だけ 社員2名・業務執行社員1名の例では一覧に載っていない 定款に定めがない事項があれば要る

株式会社と違って、合同会社の添付書類欄には、代表社員以外の業務執行社員の就任承諾書は出てきません。業務執行社員になる人それぞれに「就任承諾書を書いて」と頼む必要はなく、この点で合同会社の必要書類は株式会社より身軽です。どの書面に誰の押印が要るかで迷ったら、記載例の定款例と見比べるのが早道です。

互選をした場合は、誰が誰を選んだかを示す書面も必要です。記載例では、この役目を「代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面」が担っています。つまり、互選で代表社員を決めた合同会社では、決定書と就任承諾書が対になって必要書類に加わると考えておくと、数え漏れがありません。

ここに注意互選で決めたのに就任承諾書を付け忘れると、補正の対象になります。定款に「互選」と書いたかどうかを、申請の前にもう一度確かめてください。

代表社員でない社員が市区町村で取得するものは原則ない

ほかの社員の取得書類(株式会社の取締役とは違う)

株式会社の会社設立では、設立時取締役の印鑑証明書や、監査役の本人確認証明書を集める場面があります。法務省の「添付書面としての本人確認証明書」のページも、対象となる登記申請を株式会社の設立や取締役等の就任の登記としています。合同会社の記載例の添付書類欄には、社員一人ひとりの印鑑証明書も本人確認証明書も載っていません。

そのため、代表社員でない社員が会社設立のために市区町村で取得する必要書類は、原則としてありません。書面で申請する場合に、印鑑届書に添える印鑑登録証明書を取得するのは代表社員だけです。

出資者が3人いる合同会社の分担の例
人 署名・押印する書類 市区町村で取得するもの
代表社員 定款、決定書(業務執行社員なら)、就任承諾書(互選のとき)、払込みの証明、印鑑届書 印鑑登録証明書1通(書面申請のとき)
ほかの業務執行社員 定款、決定書 原則なし
業務を執行しない社員 定款 原則なし
メモ法人が社員になる場合や、社員が海外に住んでいる場合は、登記事項証明書や署名証明などが加わります。海外在住者の書類は「海外在住 署名証明」の棚で扱っています。

出資金はいつ、誰の口座に払い込むか

出資金の払込みと証明(登記の時までに全額)

出資者が複数いると、出資金をどこに集めるかを決めなければなりません。払込みの証明は、会社設立の必要書類のなかで全員の行動がそろって初めて作れる書類です。会社法第578条は、社員になろうとする者は設立の登記をする時までに、出資に係る金銭の全額を払い込まなければならないとしています。商業登記法第117条は、設立の登記の申請書に、この払込み・給付があったことを証する書面を添付するよう求めています。

6点セット:払込みがあったことを証する書面
  • 1書類の正式名称:払込みがあったことを証する書面
  • 2誰の書類か:会社(代表社員が作成)
  • 3どこで取るか・誰が作るか:自分で作る。代表社員の口座に振り込んでもらった通帳の写し等を合わせるか、代表社員作成の出資金領収書を使う
  • 4何通いるか:社員が何人でも1通にまとめる
  • 5有効期限:期限の定めはない。全員分の払込みが済んでから作る
  • 6費用:手数料なし

実務では、まだ会社の口座がないため、代表社員の個人口座に各社員が振り込む方法がよく使われます。合同会社は銀行等の払込取扱機関で払い込まなければならないという制約がないので、代表社員が出資金を受け取った領収書で証明することもできます。通帳の写しを使うなら、全員分の入金が一続きに分かるページをそろえます。

社員ごとに払い込む日がばらばらだと、通帳の写しが何ページにもわたることがあります。法務局のオンライン申請向けの一覧は、通帳の写しや取引明細を使う場合、入金や振込の部分に印や下線を付けて、払い込まれた日と金額が分かるようにするよう求めています。人数が多いときほど、この印付けを丁寧にしておくと、必要書類の確認がスムーズです。

出資の価額は定款に社員ごとに書かれます。払い込まれた金額と定款の金額が一人でも食い違うと、払込みの証明として使えません。振込の前に、各社員へ定款に書いた金額をそのまま伝えておきましょう。

複数の社員で払込みを済ませる順番
図:複数の社員で払込みを済ませる順番

出典e-Gov法令検索「商業登記法」2026年10月11日確認

3人でつくる合同会社の書類の分担表

3人で分ける書類の役目(AさんBさんCさんの例)

ここでは、Aさん・Bさん・Cさんの3人が出資し、AさんとBさんが業務執行社員、定款で代表社員は業務執行社員の互選で定めることにして、Aさんが選ばれた合同会社を例にします。定款の本店は市までしか書かず、登記は書面で申請します。会社設立の必要書類と、誰が何に関わるかを数えると次のようになります。

3人の合同会社で関わる書類の数
図:3人の合同会社で関わる書類の数

この例で決定書が要るのは、代表社員を互選で決めたことと、本店の番地を定款の外で決めたことの二つが理由です。就任承諾書はAさんの1通だけで、BさんとCさんは会社設立の必要書類を取得しに市区町村へ行く必要がありません。もし定款で代表社員をAさんと直接決め、本店も番地まで書いていれば、決定書と就任承諾書の両方が必要書類から外れる可能性があります(資本金の額も定款に書いてある場合)。

こうして分担を書き出すと、必要書類の大半はAさんの手元に集まることが分かります。BさんとCさんには署名や記名押印を頼む日だけを伝え、Aさんは印鑑登録証明書の取得日と、払込みの確認日を決めておけば、会社設立の段取りが一本の線になります。

  1. 1Aさんの取得
    住所地の市区町村で印鑑登録証明書を1通。印鑑届書に添えるので作成後3か月以内のものを
  2. 2Bさんへの依頼
    決定書と定款への署名または記名押印
  3. 3Cさんへの依頼
    定款への署名または記名押印と、出資金の払込み

まとめ:人数が増えても、増える書類は定款の外で決めた分だけ

増えるのは定款の外の決定(分担を表にしておく)

出資者が二人以上の合同会社でも、会社設立の必要書類の骨格は一人のときと変わりません。増えるのは、定款に全員の署名または記名押印が並ぶことと、定款の外で決めた事項(代表社員の互選、資本金、本店の番地)を証明する決定書・就任承諾書です。代表社員でない社員が市区町村で取得する証明書は、原則としてありません。

  • 代表社員・資本金・本店の番地を定款に書いたかで、決定書の要否が決まる
  • 互選で代表社員を選んだら、代表社員の就任承諾書が1通要る
  • 払込みの証明は社員が何人でも1通。代表社員の領収書でもよい
  • オンライン申請では、署名する人の数だけ電子署名の準備が要る

人数の多い合同会社ほど、必要書類のそろう日が一番遅い人に引っぱられます。署名をもらう順番と、払込みを済ませる期日を先に共有しておくと、会社設立の申請日を予定どおりに迎えやすくなります。

この記事は、2026年10月11日に法務局のオンライン申請向けの添付書面一覧、合同会社の記載例、法務省の手続案内と会社法の条文で確かめた内容です。定款の決め方が書類にどう響くかは会社ごとに違うため、迷ったら申請先の法務局や司法書士に、定款の案を見せて確認してください。

出資者が集まったら、まず紙に全員の名前を書き、その横に「業務を執行するか」「代表になるか」を一行ずつ埋めてみてください。そのうえで定款の案に代表社員・資本金・本店の番地が書いてあるかを確かめれば、決定書と就任承諾書が要るかどうかがその場で分かります。誰が何に署名し、誰が何を取得するかを一枚にしておくと、会社設立の準備を分担しても抜けが出にくくなります。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

この記事のテーマと「必要書類」「会社設立」「取得」の語で実際に検索して見つかったサイトです(2026年10月11日確認)。掲載の順番は優劣を表すものではありません。

法務局「合同会社の設立の登記申請(オンライン申請)に必要な添付書面情報」

合同会社の設立をオンラインで申請するときの、添付書面情報の案内ページ。

業務執行社員と代表社員の就任承諾書が、どちらに要るかを説明したページ。

@SOHO「合同会社の業務執行社員と代表社員の就任承諾書」

@SOHO「合同会社の業務執行社員の決定書|議事録の代わりになる書類」

atsoho.com

株主総会のない合同会社で、決めたことを残す決定書の位置づけを扱う記事。

起業ログ「合同会社における業務執行社員とは?責任や役割など徹底解説」
合同会社の業務執行社員の役割と、代表社員との違いを扱った解説記事。
kigyolog.com起業ログ「合同会社設立の必要書類一覧と、その作成方法を徹底解説【作成例つき】」

合同会社の書類を一覧にし、作り方の例もつけた記事。

06ベンチャーサポートグループ「合同会社設立の必要書類一覧!合同会社の設立登記で必要なものとは?」

合同会社の設立登記で出す書類を一覧にした税理士グループの解説。

yayoi-kk.co.jp弥生「合同会社の設立・登記に必要な書類一覧!申請書の作成における注意点も解説」

合同会社の登記に出す書類と、申請書づくりの注意点をまとめた解説。

中小機構の起業支援サイトによる、合同会社の設立手続きの解説。

J-Net21「合同会社の設立手続き」

マネーフォワード クラウド会社設立「合同会社設立時の必要書類一覧!無料ダウンロード可能なテンプレート付きで解説」

合同会社の設立で出す書類を一覧にし、テンプレートの入手先もあわせて案内した解説。

辻・本郷 税理士法人の起業ガイド「【合同会社設立完全マニュアル】流れはこの6ステップ!」
合同会社の設立を6ステップで追い、各段階の書類にも触れた解説。

ベンチャーサポートグループ「合同会社設立 必要書類チェックリスト」

合同会社の設立で必要になる書類を、チェック欄つきで並べたPDF。

vs-group.jp

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