会社設立 必要書類 定款|部数・認証・保管と、定款で増える書類の見取り図

早見カードこの棚に出てくる必要書類
会社設立の必要書類のなかで、定款だけは自分たちで中身を作るうえ、公証役場の認証まで絡むので、何から確かめればよいか分からない人に向けたカテゴリー記事です。定款を作る前の人も、認証が終わって原本の扱いに迷っている人も、自分の位置から読める道案内として使ってください。
会社設立の必要書類としての定款は、会社の種類で扱いが変わる

定款は、会社設立の必要書類のなかでも別格の存在です。会社のルールを書いた書面で、設立登記の添付書面の筆頭に並びます。ただし、その扱いは会社の種類で分かれます。日本公証人連合会の案内では、株式会社の原始定款は公証人の認証を受けなければ効力が生じません。一方、法務省の「合同会社の設立手続について」は、合同会社の定款については公証人の認証を受ける必要はないとしています。
つまり、公証役場へ行く工程があるかどうかは、会社の種類で決まります。株式会社なら、定款を作る、認証を受ける、法務局へ出す、の三段階。合同会社なら、作った定款をそのまま登記に使います。このカテゴリーの記事の多くは前者、つまり株式会社の道筋を追っていますが、合同会社の定款の部数は 会社設立の定款は何部いる? にも出てきます。
| 会社の種類 | 定款の認証 | 定款について主に確かめる先 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 必要(本店所在地の公証役場) | 日本公証人連合会の定款認証の案内 |
| 合同会社 | 不要 | 法務省の合同会社の設立手続の案内 |
ここでは、定款の書き方には踏み込みません。何を書くか、どう書くかは、別の姉妹サイトの「登記・定款」の担当です。このカテゴリーが扱うのは、定款という必要書類を何部作り、どこへ出し、認証の日に何を持っていき、そのあとどう保管するか、というところです。
出典日本公証人連合会「9-4 定款認証」2026年10月11日確認・必要書類・手数料・印鑑登録証明書3か月
定款の提出は「部数」から数える。書面は2通、実務では3通

定款の必要書類としての最初の関門は、何部作るかです。公証人法第58条第1項は、書面の定款の認証を求めるとき、定款を2通提出すると定めています。日本公証人連合会の案内では、そのうち1通を公証役場が保存し、もう1通が会社保存用の原本として戻ってきます。さらに、法務局へ出す登記用の謄本分を含めて、実務では通常3通を用意する、とされています。
この数え方は、電子定款にするか、合同会社かで変わります。書面と電子では「部」の考え方そのものが違い、合同会社には認証用の部数がありません。発起人の人数や機関設計との関係も含めた整理は 会社設立の定款は何部いる?書面は3通、電子定款・合同会社の場合まで提出先ごとに数える に載せています。謄本は1枚250円の手数料がかかるため、枚数が増えると費用の目安も動きます。

出典e-Gov法令検索「公証人法」2026年10月11日確認・第58条(書面の定款の認証)
定款認証の必要書類と持ち物を、公証役場の案内で確かめる

株式会社の定款認証では、定款のほかに、発起人の印鑑登録証明書と申告書を公証役場に出します。印鑑登録証明書は、日本公証人連合会の案内で「発行後3か月以内のものに限られています」とされ、発起人が一人なら1通、複数なら人数分が必要です。発起人が法人の場合は、代表者の印鑑登録証明書に加えて、その会社の登記簿謄本も求められます。
認証手数料は、資本金の額などで決まります。100万円未満で3万円、ただし発起人全員が自然人で3人以下・発起設立・取締役会なしのすべてを満たすときは1万5000円。100万円以上300万円未満は4万円、それ以外は5万円です。書面の定款には、そのほかに収入印紙4万円が必要になります。金額は改定されることがあるので、認証を受ける公証役場で最新の額を確かめてください。
認証できる公証人にも制限があります。本店所在地を管轄する法務局・地方法務局に所属する公証人だけで、管轄の外でした認証は無効になる、と日本公証人連合会は注意を促しています。持ち物、期限、手数料、代理人に任せる場合の追加書類を、公証役場の案内に沿って整理したのが 定款認証の必要書類|公証役場に持っていく定款・印鑑証明書・申告書と手数料を確かめる です。
発起人が遠方に住んでいる場合や、仕事で平日の窓口に行けない場合は、印鑑登録証明書の取得を早めに動かす必要があります。3か月の期限は発行日から数えるため、取得が早すぎると認証の日までに切れてしまいます。認証の予約日が決まってから、逆算して取得するのが無難です。
出典日本公証人連合会「9-4 定款認証」2026年10月11日確認・必要書類・手数料・印鑑登録証明書3か月
実質的支配者の申告書は、定款認証の必要書類に加わる

株式会社の定款認証では、定款と証明書のほかに、実質的支配者となるべき者の申告書が必要です。平成30年11月30日から、株式会社などの嘱託人は、実質的支配者となるべき者の氏名・住居・生年月日などと、暴力団員等に該当するかどうかを、公証人に申告することになりました。申告がないと、公証人は認証できません。
誰が実質的支配者になるかは、株主の構成から順に決まります。50%を超える株式を持つ個人、それがいなければ25%を超える個人、さらに事業活動に支配的な影響力を持つ個人、それもいなければ代表取締役、の順です。申告書には本人特定事項の資料の写しを添え、定款認証の嘱託までに、定款案の点検を頼むときに一緒に出すよう案内されています。
電子定款の場合も、この申告は同じように必要です。申告書と一緒に出す資料、電子定款・ウェブ会議のときに手元に置くものは、実質的支配者の申告書と電子定款|定款認証の必要書類が変わるところ で、日本公証人連合会の書式とQ&Aから確かめています。
なお、実質的支配者になる人が発起人本人とは限りません。株式の大半を別の人が持つ会社では、その人の本人特定事項が分かる資料を取得して、申告書に添える必要が出てきます。自分の分だけでなく、関係する人から資料を取得する時間も見込んでおいてください。
- 株主構成を書き出す誰が何%を持つかを先に整理する
- 実質的支配者を決める50%超、25%超、支配的影響力、代表取締役の順で当てはめる
- 申告書と資料を用意する本人特定事項が分かる資料の写しを添える
- 定款案と一緒に送る事前点検の依頼とあわせて公証役場へ
出典日本公証人連合会「実質的支配者となるべき者の申告書(株式会社用)」2026年10月11日確認
電子定款にすると、必要書類のどこが変わるか

定款を電子で作る方法もあります。日本公証人連合会の案内によれば、定款をPDFにして電子署名をつけて認証を受ける方法で、書面の定款に必要な収入印紙4万円が不要になります。必要書類の面から見ると、紙の定款を3通印刷する手間がなくなる反面、電子署名の環境が必要になる、という入れ替わりです。
電子定款では、署名をつけたあとは字句を直せないため、事前に公証人の点検を受けるのが通例です。認証が済んだあとは、申告受理及び認証証明書が交付され、求めれば同一の情報の提供を書面で受け取れます。また、2024年3月1日から、電子定款の面前審査は、希望がなければウェブ会議で行うのが原則になりました。紙の定款では、ウェブ会議は使えません。
この仕組みのうち、必要書類に直接かかわる部分は、前の節で触れた申告書と同じ 実質的支配者の申告書と電子定款 の記事にまとめました。紙か電子かの選択は、費用の差だけでなく、手元に置く機器や本人確認の資料にも響くため、決める前に一度読んでおくと安心です。
| 比べる点 | 書面の定款 | 電子定款 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 4万円 | 不要 |
| 認証の面前審査 | 公証役場で行う | 原則ウェブ会議 |
| 準備するもの | 定款の印刷と署名・押印 | PDFと電子署名の環境 |
出典日本公証人連合会「電子公証(電子定款の認証)」2026年10月11日確認・電子定款は印紙税4万円不要
調査報告書は、定款の中身を見れば要るかどうかが分かる

会社設立の必要書類として、調査報告書の扱いに迷う人は多いはずです。法務局の記載例の注には、調査報告書は「会社法第28条各号に規定する変態設立事項に関する定めが定款に定められている場合に限ります」と書かれています。変態設立事項とは、現物出資、財産引受け、発起人の報酬や特別の利益、設立費用の4つです。定款にこれらの定めがなければ、そろえる書類から外れます。
判定の手順は意外に単純で、定款を開いて第28条の事項があるかを見るだけです。ただ、調査という行為そのものは、設立時取締役(監査役設置会社は監査役も)がすべての会社で行うもので、報告書として添付するかどうかが条件つきになる、という点に注意が要ります。検査役の調査報告書との違い、合同会社や募集設立での扱いは 設立時取締役の調査報告書は要る?会社設立の必要書類になる条件を定款の「変態設立事項」で判定 にチェックリストをつけました。

出典法務局「株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)記載例」2026年10月11日確認・R8.5.11更新
現物出資の定款では、必要書類が増える

パソコンや車など、お金以外の財産を出資する現物出資は、定款の必要書類にも影響します。会社法第28条第1号により、現物出資は定款に書かなければ効力がありません。その価額の相当性は原則として検査役の調査を受けます(第33条)が、現物出資財産等について定款に記載した価額の総額が500万円を超えない場合などは、検査役の調査は要らないとされています(第33条第10項第1号)。
ただし、検査役の調査が要らないからといって、書類が減るわけではありません。財産引継書、調査報告書、資本金の額の計上に関する証明書など、現物出資のときに出番のある書類があります。定款の定めから書類が増える流れは 現物出資で会社設立するときの必要書類 に、パソコン、自動車、不動産、株式といった財産の種類ごとの差は パソコン・車・不動産・株式を現物出資するときの必要書類 にまとめています。
お金だけで出資する会社でも、あとから現物出資の話が出てくることがあります。その場合は、定款を作る前の段階で、公証役場の事前点検を受けながら進めるのが現実的です。金額の前提として、500万円という基準は定款に記載した価額の総額で見る点を覚えておいてください。
パソコン・事務機器
型番などで財産を特定して書く
自動車
車体番号などで特定し、名義の移転は別に進める
不動産
価額の相当性を示す書面が加わることがある
上場株式
市場価格を示す書面が加わることがある
出典e-Gov法令検索「会社法」2026年10月11日確認・第28条・第33条・第34条・第576条・第578条
認証のあと:定款の原本・謄本・保管と、取得し直すとき

会社設立の必要書類として定款を作り終えたあとにも、扱いの知識が要ります。会社法第31条第1項は、株式会社の成立後は、定款を本店と支店に備え置くよう定めています。認証のときに戻ってきた会社保存用の原本は、この備え置きに使うものです。法務局に出した定款は、原本の還付を請求すれば返してもらえますが、そのためには相違がない旨を記載した謄本(写し)を添える必要があります(商業登記規則第49条)。
うっかり定款をなくした場合は、公証役場に保存された原本から謄本を請求できます。謄本は1枚250円、閲覧は1回200円と案内されています。電子定款の写しは、同一の情報の提供という形で受け取ります。認証後の原本・謄本・写しがそれぞれ何部残り、どこから取得し直せるのかは 定款の原本・謄本・写しは何部ずつ手元に残る?会社設立のあとに困らない保管と取り寄せ方 で整理しました。
会社の手元にある定款をなくした場合でも、公証役場には認証した定款が保存されているので、そこから謄本を取得する道が残されています。電子定款の場合も、写しの取得先は同じ公証役場です。どちらの場合も、会社の成立後に定款を取り出す場面は意外に多いため、会社設立のときに保存場所を決めておくと困りません。
謄本や写しを請求できる人の範囲、窓口での手続、必要な持ち物は、公証役場の案内で確かめる必要があります。この点は日本公証人連合会の案内ページでは細部まで確認できなかったため、ここでは断定せず、請求の前に電話で聞いてください。
出典e-Gov法令検索「会社法」2026年10月11日確認・第28条・第33条・第34条・第576条・第578条
まとめ:定款は「何部・誰に・どう残すか」を先に決めてから進める

会社設立の必要書類のうち、定款まわりは、部数、認証の持ち物、申告書、電子か紙か、調査報告書、現物出資、保管の7つの論点に分けると整理できます。7本の個別記事は、それぞれの論点を一つずつ受け持っています。
- 部数:書面は認証の嘱託で2通、実務では登記用の謄本分を含めて3通
- 認証:本店所在地を管轄する公証役場で、発起人の印鑑登録証明書は発行後3か月以内
- 申告書:株式会社の定款認証に加わる。実質的支配者を株主構成から決める
- 調査報告書と現物出資:定款に第28条の定めがあるときだけ書類が増える
- 保管:会社保存用の原本は本店に備え置き、足りなければ謄本を取得する
定款の様式探しは 会社設立 必要書類 ダウンロード、登記の申請全体は 会社設立 必要書類 一覧 のカテゴリーが入口になります。この内容は2026年10月23日に確かめたもので、手数料や運用は改められることがあります。認証を受ける公証役場と、日本公証人連合会の最新の案内を見て、迷うときは司法書士や行政書士に相談してください。
出典日本公証人連合会「手数料」2026年10月11日確認
定款の話は、まず「何部」「誰が」「いつまでに」の三つを紙に書き出すところから始めてみてください。株式会社なら、公証役場への予約の電話をかける前に、発起人の印鑑登録証明書の発行日と、実質的支配者の整理を済ませておくと、当日の会社設立の手続きは驚くほど落ち着いて進みます。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のテーマと「必要書類」「会社設立」「取得」の語で実際に検索して見つかったサイトです(2026年10月23日確認)。掲載の順番は優劣を表すものではありません。
公証役場の予約から認証済み定款を受け取るまでを順に説明した記事。
紙の定款を認証してもらうときの作成と手続きをまとめた解説。
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定款の原本証明が求められる場面と作り方を説明した記事。
調査報告書が要る場合と、ひな形の使い方を説明した記事。
定款認証の手続きと必要書類を、順を追って説明した記事。
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- 定款認証の手続きと費用、制度の変更点を説明した記事。
定款の意味と作成方法、認証の流れを入門向けにまとめた記事。
@SOHO「電子定款とは|紙より4万円安く済む仕組み」
電子定款で収入印紙代が不要になる仕組みを説明した記事。
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